This Article Contains
「写真写りが悪い」を3つに分解する
「写真写りが悪い」という悩みは、多くの場合ひとまとめにして顔立ちのせいにしてしまいます。しかし写真の仕上がりには3つの要素が関わっています。①顔立ち、②撮影条件(距離・光・姿勢・表情)、③写真の選び方——この3つです。
①は変えられません。でも②と③は変えることができます。「写真写りが悪い」という感想を3つに分けて、どこが原因かを特定することで、次に変えるべきものが見えてきます。
「暗く沈んで見える」「顔が大きく見える」「表情が不自然」「目が死んでいる」——これらのほとんどは②か③の問題です。顔立ちよりも、条件と選び方の方が大きく影響していることが多いです。
撮影条件で写りはこれだけ変わる
同じ顔でも、撮影条件が変わると全く異なる印象の写真になります。近距離広角と、中望遠で距離を取った写真では、顔の比率と立体感が変わります(FIG.081参照)。光が顔の正面から当たっているかどうかで、立体感と目の印象が変わります。
目元だけが力んで口元だけが笑っている写真(上下の表情のずれ)は、表情の作り方の問題です(FIG.060参照)。瞳に光が入っていない写真は、光と顔の向きを変えるだけで印象が変わります(FIG.061参照)。姿勢が崩れている写真は、足から順番に整える手順で改善できます(FIG.027参照)。
「写真写りが悪い」と感じた写真を見て、この条件のどれが問題だったかを一つ特定します。全部が問題に見えても、最も影響が大きい一つから変えます。
FIG. 115写真写りの悩みを顔・撮影条件・選び方に分けて考えるための図解。
候補写真を見直す3つの視点
写真を選ぶとき、「好きな顔かどうか」だけを基準にすると、どれも気に入らないことがあります。代わりに3つの視点で見直します。
①顔の上半分と下半分の表情が同じ方向か——目元が驚いたように見開かれ、口元だけが笑っている写真は表情がずれています(FIG.060参照)。②瞳に小さな白い光(キャッチライト)が入っているか——光がないと生命感が薄くなります(FIG.061参照)。③使う場所のサイズに縮小しても印象が保たれているか——SNSアイコンサイズにしても顔の印象が伝わる写真が機能します。
この3点を確認してから、残った候補の中で表情の好みで絞ります。好みで先に絞り込もうとすると、3点を見落としやすくなります。
違和感を顔立ちの問題にしない
写真を見て「なんとなく嫌」と感じるとき、反射的に顔立ちの問題として解釈しやすくなります。「目が小さく見える」「顔が大きく見える」「印象が暗い」——これらはほとんどが条件の問題です。
「目が小さく見える」は目元の力み(FIG.010参照)や光の向きの問題です。「顔が大きく見える」は近距離撮影のレンズ影響(FIG.081参照)です。「印象が暗い」は光の向きとキャッチライトの問題(FIG.061参照)です。
違和感を感じたとき、「この違和感は条件の問題か、顔立ちの問題か」を一度問い直します。条件の問題なら次の撮影で変えられます。この問い直しを習慣にするだけで、写真への構えが変わります。
写真写りは性格や顔立ちではなく、条件と選び方に分けて確認します。
撮影前と写真選びで確認すること
撮影前に、「今回の撮影で確認したいこと」を一つ書きます。「距離を少し取ってもらう」「光が目元に入る角度を確認する」「固まったときに声をかけてもらう」のように一文で十分です。一つだけに絞ることで、撮影中に意識が集中しやすくなります。
撮影中は、その一つの確認点だけを見ます。全部を一度に改善しようとすると、どれが効いたか分からなくなります。今回は一つだけ変えて、次の撮影でまた一つ変えるという積み重ねが有効です。
写真選びでは、まず実際の掲載場所に仮置きして見ます。Webサイトのプロフィール欄や名刺の顔部分に置いたとき、その場所で機能しているかを確認します。単体で気に入るかどうかより、使う場所で働くかどうかが最終的な判断基準です。
- 写真写りが悪いという悩みは、顔立ち・撮影条件・選び方の3つに分解できます。変えられるのは条件と選び方です。
- 候補写真は、表情の上下一致・瞳の光・縮小後の印象の3点で見直します。好みより先に3点を確認します。
- 撮影前に変えるのは1つだけです。一度に全部を直そうとしません。


