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頬から笑顔を作る、という発想の転換
笑顔を作るとき、最初に動かすのは口ではなく頬です。具体的には、目の下、頬骨のあたりを少し引き上げます。頬が上がると、目元にも自然な動きが出て、上半分と下半分の表情がそろってきます。
口角を横に引く「E」の発音のような笑顔は、口元だけが動いて頬が動かないため、目元に笑顔が届きません。出来上がった表情を鏡で見ると、「口は笑っているのに目が笑っていない」状態になっていることが多いです。
仕事用のプロフィール写真では、この「上下の一致」が特に大切です。信頼感のある表情は、目元と口元が同じトーンで笑っているときに生まれます。
口角だけを動かしても目元に届かない理由
顔の筋肉を大雑把に分けると、口元を動かす筋肉と、頬から目元にかけて動かす筋肉は別です。口角を横に引いたとき、主に動くのは前者です。後者(頬骨筋)は、頬を引き上げる動きで使われます。
頬骨筋が動かないまま口角だけを引くと、目の下が動かず目元に表情が出ません。これが「作り笑い」に見える根本的な理由です。
頬から笑顔を作ると、頬骨筋が動いて目元まで連動します。目の下にうっすらシワが入り、目尻が柔らかくなります。この状態で上の前歯が少し見えていると、見る人には自然な笑顔として伝わります。
FIG. 011口角だけの笑顔と、頬骨筋から作った笑顔の違いを比較した図解。左が頬が動いていない状態、右が頬から笑顔が始まった状態。
鏡の前で試す:頬・前歯・目元の確認
撮影前に鏡の前で次の3ステップを試してみてください。
- まず「E」の笑顔を作る——口を横に引いてみます。このとき頬が上がっているかどうか確認します。多くの場合、口は動いていますが頬はほとんど動いていません。
- 口を横に引かず、頬だけを上げる——目の下あたりをそっと押し上げるイメージで頬を持ち上げます。目元が少し動いたら成功です。
- その状態で前歯を少し見せる——上の前歯が3mm程度出る程度で止めます。下の歯や歯茎が大きく見えると、笑顔が強くなりすぎることがあります。
この状態を確認したら、撮影当日にもその感覚を思い出してください。緊張して口だけを動かしてしまったときは、「まず頬から」という意識に戻ります。
笑顔の量と用途のバランス
笑顔は多ければ良いわけではありません。使う場所によって、ちょうどよい笑顔の量があります。
採用ページや親しみを伝えたいプロフィールなら、少し明るめの笑顔が向いています。士業・医療職・経営者の紹介写真なら、上の前歯が少し見える程度の落ち着いた笑顔のほうが、信頼感が先に伝わります。
笑顔の量を下げるとき、口を閉じて完全に消すより、「前歯の見せ方を少し減らす」ほうが表情が固まりにくいです。口を閉じると唇に力が入り、表情全体が硬くなりやすいので、閉じるなら自然にゆっくり閉じます。
撮影現場で「もう少し笑顔を抑えてほしい」と感じたときは、カメラマンに「前歯が少しだけ見えるくらいにしたいです」と伝えると動かしやすくなります。
撮影前後に使えるチェックポイント
撮影前には、頬・前歯・目元の3点を確認します。口を横に引く前に、目の下の頬を少し上げる意識を持ってください。
撮影中は、笑顔を長く固定しないことも大切です。一度笑顔を作って、一度力を抜いて、また作る——この繰り返しのほうが、頬が疲れずに表情を保てます。特に連続して何十枚も撮る場合は、長い笑顔より「何度でも作れる笑顔」を意識します。
納品後は、口元だけを見るのではなく、目元と頬も合わせて確認します。頬が上がり、目元が少し柔らかくなっていて、上の前歯が控えめに見えている写真——使う場所に置いたときに親しみと落ち着きの両方が感じられる一枚を選んでください。
- 笑顔は口角を横に引くより、目の下の頬(頬骨筋)を上げて作ります。
- 上の前歯が3mmほど見える程度にとどめると、仕事用写真で強すぎない笑顔になります。
- 写真選びでは口元だけでなく、目元の柔らかさと頬の動きもあわせて見ます。


