下顔面の量感が出やすい条件

ベース型・下膨れタイプは、撮影条件によって下顔面の量感が前に出やすくなります。条件が重なるほど影響が大きくなりますが、条件を変えることで印象は変えられます。

量感が出やすい主な条件は3つです。①顎が上がっている——顔の下側がカメラに近くなり、大きく写りやすくなります。②下から光が入っている——顎の下にできる影が消えて、輪郭の境目が読み取りにくくなります。③首元が詰まっている——首から顎の線が短く見え、顔の下側の量感が残ります。

これらは顔立ちではなく、撮影の姿勢・光・服装の条件です。

顎の角度と光の向きで量感が変わる

顎が上がると、顔の下半分(顎・頬骨の下)がカメラに近づきます。カメラに近い部分は大きく写る遠近感の影響(FIG.081参照)で、頬から顎の量感が前に出やすくなります。

下から光が入るときも問題が起きます。顎の下・首まわりにできる自然な影が消えると、輪郭の境目が読み取りにくくなります。量感が「均一に広がった状態」として見えてしまいます。スマートフォンをテーブルに置いて自撮りするときに、下から光が入りやすいのはこのためです。

上からの柔らかい光(窓の光・天井のライト)が顔に入ると、顎の下に薄い影が生まれます。この影が輪郭の境目を作り、顔の下側が自然に見えやすくなります。

FIG. 123ベース型(下膨れ)タイプで顎・光・襟元の条件を整える方法を整理した図解。

上からの柔らかい光と縦の線を使う

顎を少し引くことで、顔の下側をカメラから遠ざけます。引き方は、首ごと下げるのではなく後頭部を上に保ったまま顎先だけを少し戻します(FIG.003参照)。これだけで頬から顎の見え方が変わります。

光は上から当てます。天井の柔らかいライトや、高い位置の窓から入る光が顎の下に薄い影を作ります。この影が輪郭の境目を見えやすくします。スポットライトのような強い光ではなく、柔らかく広がる光の方が自然な陰影になります。

服の襟元に縦の線を作ることも有効です。シャツの開き・Vネック・ジャケットの領——これらは顔の下に縦の流れを作り、頸から顎の印象を整えます。反対に、ハイネックやタートルネックは首から顎の線を短く見せるため、ベース型には合いにくいことがあります。

顎を上げたまま笑顔にすると起きること

明るく見せようとして顎を上げたまま笑顔を作ると、顔の下側がカメラに向かって前に出ます。笑顔の表情と、下顔面の量感が重なって、どちらも強く出る写真になりやすいです。

また、笑顔で頬が上がると下顔面の量感がさらに前に出ることがあります。笑顔を「頬を上げる笑顔」で作ることは基本ですが(FIG.011参照)、その前に顎の位置を整えておくことが先です。顎の引きと笑顔の組み合わせが自然な状態で撮れると、表情が印象の主体になります。

首元が詰まった服も注意が必要です。ハイネックやタートルネックは、首から顎の線が短く見えることで顔の下側の量感が残ります。用途に合う範囲で、首元に少し抜けを作ると印象が軽くなります。

下膨れに見える写真は、顎、光、襟元の線で整えます。

撮影前と撮影中の確認手順

撮影前に、服の襟元を確認します。仕事用写真なら清潔感を保ちながら首元に縦の線があるものを選びます。Vネックのシャツ・適度に開いたジャケット・スカーフを縦に使う方法など、用途に合わせて選びます。

撮影中は、顎の位置・光の向き・表情の3つを順番に確認します。まず顎を少し引きます(首ごとではなく顎先だけ)。次に光が顔に上から当たっているかを確認します。最後に表情を整えます。

写真選びでは、顎の下に薄い影がある写真を優先します。影がない写真は輪郭の境目が読み取りにくくなっています。表情と輪郭の両方が伝わっている写真を残します。

  1. 下顔面の量感は、顎が上がっている・下から光が入っている・首元が詰まっているという条件が重なると出やすくなります。
  2. 顎を少し引き(顎先だけ)、上からの柔らかい光を入れ、服の襟元に縦の線を作ると印象が整います。
  3. 笑顔を作る前に顎の位置を整えておくことで、表情が印象の主体になります。

参考資料

関連する図解